日本人にとっていつも身近な所にある竹。茶の湯や生け花といった文化の中で欠かせないものであるとともに、庶民の生活からは竹を使った多くの工芸品が生まれました。そんな我々の生活の一部となっている竹も、実は「竹害」なる言葉があるのをご存知でしょうか?我々の生活は今、工業製品に溢れています。コスト削減、大量生産の号令の元、プラスチック等といった石油系素材が発達。それにより、加工にコストのかかる竹は見放され、竹林は荒れ放題になってしまいました。
手入れされず放置されてしまった竹林は、里山の雑木林等を侵食し、生態系に大きな影響を及ぼしています。それだけではありません。竹の地下茎は1年で約8mも伸びるそうで、これにより、竹林が放置されると、近辺の田畑に地下茎が侵入して、農作物を枯らす恐れがあります。その他、森林の持つ水源涵養機能の低下、土砂災害・土砂崩壊への影響、等々「竹害」は何とかしなければならない切実な問題なのです。
竹害の対策はかつてのように竹を大量に消費することが不可欠。我々個人が出来ることは、竹製品を少しでも多く消費することでしょう。そこで、竹の繊維を原料に出来た“竹紙(ちくし)”を使ったこんなアイテムを日常で使ってみてはどうでしょう?それがこちら、「京扇子 竹紙扇子セット」。
和歌山・竜神村在住の手漉き和紙職人による「竹100%和紙」を両面に使用した京扇子です。木質系の素材から伝統ある手漉きの方法でつくるという点で、竹紙は和紙の仲間。和紙の持つ良さと共に、竹紙ならではの手触り、風合いが感じられます。扇面の色は「若竹繊維」「竹皮入り」「泥染め」の3種類。どれも独特の落ち着いた色合いで、手漉きで作りあげるため、それぞれが個性のある表情を持っています。親骨には斑紋のある竹を使用。チャームにも切り出された竹を使用し、まさに竹で出来た扇子と呼んでも過言ではないでしょう。
若竹を水に漬け込み、煮て繊維をつぶし、丁寧に手漉きをして仕上げた竹100%の和紙、“竹紙”。ほんのりと竹の香りも楽しむことができる逸品です。暑い季節には、鞄や内ポケットに簡単に収納できる便利な扇子。パッと広げた扇面のデザインは、貴方の“センス”が試されます。竹害対策に一役買いながら、ちょっとしたお洒落を楽しんでみませんか?
京扇子 竹紙扇子セット 価格10,800円(税込み)