結城紬(茨城県)

 結城紬(ゆうきつむぎ)は、日本最古の歴史を有する高級絹織物です。結城紬の原型は、奈良時代に常陸国から朝廷に献上されていた「絁(あしぎぬ)」と言われています。その後、常陸紬と呼ばれるようになり、鎌倉時代には見た目が質素で丈夫なことから関東の武士にも好まれ、結城地方が生産の中心となっていきました。当時この土地の領主だった結城氏がこの産業の保護育成に努めたため、結城氏の名を取って結城紬の名が定着したとされています。

 室町時代の頃には「結城紬」の名で幕府や関東管領に献上され、全国的に著名な物産となりました。江戸時代にさらに改良が加えられ、同時代初期代官になった伊奈忠次が信州や京都から技術を導入したことにより、結城紬の名は一層高められました。当時の百科事典と言われる『和漢三才図会』には最上品の紬として紹介されています。

 結城紬が完成するまでにはいくつもの工程が必要で、主な工程だけで20以上ありますが、その中でも「糸つむぎ」、「絣(かすり)くくり」、「地機(じばた)織り」は国の重要無形文化財に指定されています。ほとんどの工程は手作業。世界でも類を見ない、手で紡いだ無撚糸(むねんし)の糸を使用し、織り手が腰の力で加減を調整しながら織りあげることで、軽くて暖かい結城紬独特の風合いが生み出されます。なお、平成22年には「ユネスコ無形文化遺産」に登録され、日本が世界に誇る文化となりました。

参照元:
結城市役所ホームページ http://www.city.yuki.lg.jp/page/page001668.html
伝統工芸青山スクエアホームページ http://kougeihin.jp/item/0104/

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA