若狭めのう細工(福井県)

 若狭めのう細工は、福井県小浜市周辺で「めのう(縞状の玉髄の一種で鉱物の変種)」の原石に熱を加え赤くし、研磨加工して作られる石工品・貴石細工。若狭めのう細工は、日本における貴石細工のルーツとしても知られています。起源については、1716年(享保1年)から1735年(享保20年)にかけて、高山吉兵衛という人物が、浪速(現・大阪)の眼鏡屋での奉公中に習得した技を若狭に持ち帰り、その技術を元に、めのうの玉造りを始めたのがきっかけだと言われています。

 当初、めのう細工は玉造だけでしたが、明治時代初期、若狭めのう細工の職人であった中川平助という人物が、「玉造りだけでなく、めのうを使ってもっと豊富な表現ができないか」と試行錯誤を繰り返し、現在のように鯉や鶏といった動物の彫刻品としての道が開けて行きました。今では、お椀や箸置きなどの日用品だけでなく、贈り物としてもよく利用されています。また、美術工芸品としての価値も非常に高まっています。

 若狭めのう細工の特徴は、炎のように鮮やかで赤く半透明な色彩にあります。その色彩は、若狭めのう細工独特の「焼き入れ」という工程によって生まれます。鉄分を使用したこの焼き入れという技法によってできるめのう細工は、茶色がかった深みのある赤に仕上がり、若狭めのう細工独特の味を引き出しています。

参照元:
KOGEIJAPANホームページ https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/wakasamenozaiku/

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