宮島細工(みやじまざいく)は、世界文化遺産に登録された厳島神社のある広島県廿日市市宮島町で作られている木工品。鎌倉時代初期に神社や寺を建てるために鎌倉や京都から宮大工や指物師などが招かれましたが、その技術の流れを汲んで今日に至っています。中国山地には豊富な森林資源があり、廿日市地区が木材の集積地となり材料の入手が容易であったことも発展の助けとなりました。
宮島細工は、杓子(しゃくし)を始めとして、ロクロ細工、宮島彫り等、日常生活に使用される物が数多く制作されています。製品は木地仕上げが多く、木本来の持ち味を生かし、自然にはぐくまれた木目色調感触を十分に活かし、手入れをするとますます美しくなってゆくのが特徴です。材料は主に松・けやき・桜・桑・栃などが使用されています。
中でも1790年頃に宮島在住の僧誓真が町の土産物として考案し、作り方を教えたと伝えられている杓子は、明治半ば頃から日常品として関西方面へも出荷されはじめ、今では日本一の生産量を誇っています。その理由は、材質の選び方と技術の巧妙さ、琵琶を模した形の優しさに加え、水に濡らしてわざと木目を立たせて磨く丁寧な仕上げを施すことで、ご飯に木のにおいが移らず米粒がつきにくいという使い易さが挙げられます。
参照元:
宮島細工協同組合ホームページ http://www.miyajimazaiku.com/index.html