富士山-東京で生まれ育った私にはとっても身近な山。誰もが知っている日本一高い山で、東京からは全容が見えなくても、晴れた日には山頂がきれいに頭を出します。関東や東海地区で生まれ育った人であれば、学校の遠足や家族旅行等で近くまで行ったり、または登ったことのある人も多いでしょう。山梨や静岡で富士山が日常生活の一部になっている人にとっては、「遠方に出かけて富士山が見えなくなると不安になる」なんてこともあるとか。さすが富士の貫禄です。
一方、関西やそれ以西、もしくは東北・北海道に住んでいる人にとっては、それほど身近な山ではないみたいです。肉眼ではなく、写真やテレビで見る山のようですね。私が大学で関西に行ったとき、四国出身の同級生に、「富士山?見たことない」と言われびっくりした事を覚えています。私が大学に行ったのはもう30年以上前。今は全国から東京ディズニーランドへ子供を連れてやってくるので、親も子供もその道中で富士山を眺める機会があるようですが、私が子供だった頃はまだディズニーランドはありませんでした。そんな頃は、遠方から親が子供を連れてわざわざ関東に来る理由はあまりなかったのでしょう。ちなみに前出の四国出身の同級生。この前聞いてみたら、ご他聞に漏れず、「子供を連れてディズニーランドへ行った時はじめて見た」と言っていました。
人によって色んな意味や思い出のある富士山。そんな富士山をモチーフに東京・田島硝子㈱さんによって出来たのがこのグラス-その名も「江戸硝子 富士山ロックグラス」。ガラス職人の手技が冴える伝統技法で富士山をグラスの中に取り入れた、面白いコンセプトのロックグラスです。何を言っているか分からないという方、まずはこの記事の下にある写真をご覧下さい。そう、なんとグラス底に富士山が模られているのです。
東京都の伝統工芸品に指定されている江戸硝子。その伝統技術を絶やさず、未来に継承することに力を入れている田島硝子さんの職人によって生み出されたこのロックグラス。飲み物の色が山肌に反射して、様々な表情を富士山が見せてくれます。ウィスキー、カンパリ、ブランデー、等々、色々試してみると面白そうですね。光と影で彩りを変えていく富士山をじっくり眺めながら、心に残るひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ちなみにこのグラス、「国土交通省観光庁後援」のおみやげグランプリ2015にて、グッズ・ノベルティ部門のグランプリを獲得。また、応募総数478賞品の中での大賞である「観光庁長官賞」も受賞しました。私の同級生で大人になるまで見たことがなかった富士山。きっと私の親の世代(もしくはそれ以上の世代)では、富士山を見たことが無いという人はまだまだ大勢いらっしゃるのかもしれません。そんな方への贈答品としても喜ばれる一品です。