金沢箔とは、金を10000分の1~2mmほどの薄さにまで打延ばしたもの。金箔(400年以上の歴史を持つ金沢の伝統箔)、銀箔、プラチナ箔、洋箔、アルミ箔の5種類があります。石川県金沢市は、全国の金箔生産量の99%を占め、上澄、銀箔、洋箔については100%を占めています。金沢の金箔生産量がそこまでの独占量に至った理由の一つに、金沢の湿度の高さが挙げられます。石川県は本州の中央部に位置し、日本海に面しています。日照率の低い日本海側特有の気候で、雨の多い地域です。また、季節風と山脈の関係や赤道付近で暖められた海水が流れ込んでくる暖流の影響によって、年間通して湿度が70%以上のことが多く、この湿度の高さが、静電気を起こしやすく乾燥を嫌う金箔の製造には適しています。
金沢には金沢箔の他にも、加賀友禅や金沢漆器、輪島塗など、今でも様々な伝統工芸産業が継承されています。また、北陸地方は浄土真宗の信仰が厚い土地としても有名です。各家庭に仏壇を持つように加賀藩(現・金沢)が勧めたことや、加賀百万石と呼ばれる華やかな加賀文化があったことから、金箔をふんだんに使った仏壇や仏具が盛んに製造されました。このように金箔を使った工芸品や仏壇・仏具によって金箔の需要が高まり、日本最大の生産量に至ったと考えられています。
参照元:
金沢箔技術振興研究所ホームページ http://www.kanazawahaku-giken.jp/kanazawahaku.html