小松原焼(こまつばらやき)は、鹿児島の有名な苗代川焼の流れを汲む焼き物で、江戸時代末期の万延元年(1860年)に都城市の小松原で始まりました。
苗代川系の伝統的技法を継承した「蛇蠍(だかつ)」の他に、釉薬の研究によって作り出された独特の「鮫肌(さめはだ)」「鈍甲肌(どんこはだ)」で生まれる肌質に特徴がある焼き物です。力強く重厚なため、花器・つぼ類から日常生活用品に至るまで、様々な用途に利用されています。一時中断された時期もありましたが、昭和44年に宮崎市において再興され、最近では新しい感覚の色彩を取り入れた作品も作られるようになりました。製作過程での窯の火入れや、釉薬の調合で微妙な「肌」の表情が決まってしまうため、それぞれの工程で卓越した技術が必要とされます。今日でも従来の技法が守り継がれ、全国の江戸以前の古窯の中でも際立った特徴を誇っています。
小松原焼は昭和天皇への茶碗の献上、皇室の御用達といった名誉を受け、更には文部科学省と韓国史料研究所の学問的評価を得てきました。残念ことに現在では後継者不足により、現在の15代目朴平意さんが最後の伝承者となってしまっています。
参照元:
九州観光推進機構ホームページhttp://www.welcomekyushu.jp/history/tradition/ceramics.html
宮崎県ホームページhttp://www.pref.miyazaki.lg.jp/allmiyazaki/shigoto/shokogyo/kjf01.html