東京アンチモニー工芸品(東京都)

 東京アンチモニー工芸品は、アンチモニー(鉛を主要要素に、アンチモン、錫を混ぜた合金のこと)を原料とした東京で作られる鋳物製品です。起源は武家社会が終焉する明治維新にまで遡ります。幕府の消滅により失業した徳川幕府お抱え鋳物師・彫刻師達は、武具の製造から大衆品製造へと変遷を余儀なくされ、創意工夫の結果、伝統工芸品の大衆化や複製化の技術を開発しました。これに江戸職人のメッキ技術や打ち物技術が加わり、更には印刷活字からヒントを得たアンチモンと鉛の合金開発が合わさって、アンチモニー製品が誕生しました。

 アンチモニー製品は、比重が銀に近い合金素材で、どっしりとした重量感あふれる風格でありながら、軟金属であることから表面の肌触りが柔かい特徴があります。鋳型に彫刻された繊細な模様が忠実に製品へ転写されるといった他の金属にない大きな優位性があります。また、メッキの乗りが非常に優れているため、金・銀・銅などのメッキを容易に施すことが可能です。

 デザインから金型作り、鋳造・加工メッキ・塗装という工程は全て職人の手で行われます。機械化された大量生産ではなく、一つひとつ丹念に仕上げられています。また、ガラスや陶器、天然石等々の異素材と組み合わされ、インテリア小物、テーブルウエア、トロフィー、神仏具品装飾工芸品等として、多用途に活用されています。

参照元:
東京アンチモニー工芸品ホームページhttp://www.japan-kogei.com/antimony.html
葛飾区ホームページhttp://www.city.katsushika.lg.jp/tourism/1000066/1004930/1004949/1004991.html

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