大正ロマンを灯りと共に!

 人間は、火を見ていると何となく落ち着く習性があるようです。原始の記憶を呼び戻すといった説や、火の揺らぎが脳をアルファ状態に整える効果がある、等々、様々な意見がありますが、理由はどうあれ確かに無心になれますよね。誰でも修学旅行等でキャンプファイヤーで火を囲み、フォークダンスを踊ったり、歌を歌ったりした経験があると思いますが、私は一通り催しが終った後、火が消えてなくなるまで見つめている時間が好きだったのを覚えています。また、私が幼少だった頃、私の田舎では家庭ごみは自宅の庭で燃やしていましたが、ごみが燃えていく様子をじっと見ていると、時が経つのを忘れたのをよく覚えています。

 そんな火ですが、最近、ふと日常生活で全く目にしていないことに気づきました。その最大の理由は「オール電化」。今私はマンションに住んでいますが、オール電化のため、全く火を見ることがありません。昔はタバコを吸っていたので、吸う毎に見ていましたが、止めてしまってからはそれもない。蚊対策は蚊取り線香ではなく電気蚊取り器だし、仏壇はないから線香に火をつけることもない。今は日々の生活で火を見ることがなくても生きてゆける時代なんだ~、としみじみ思っていたら、何だか急に火を見たい気分になってきました。

 「手っ取り早く100円ショップでティーキャンドルでも買ってみたら」という妻の提案で、早速購入してみることに。夜、電気を消して火を灯してみると、やはり日ごろの喧騒を忘れ落ち着いた気分になれました。妻も同じように感じたようで、これから事ある毎にやってみようということに。そこで、「せっかくならキャンドルホルダーも良いの探そう」という展開になり、こんな粋なキャンドルホルダーを見つけました、それが「江戸硝子 大正浪漫 キャンドルホルダー」。職人が一つ一つ丁寧に作り上げた江戸硝子のキャンドルホルダーと、四万十ひのきの間伐材を使ったスタンドがセットになった商品。大正時代のハイカラな日本文化を感じさせる大正浪漫硝子で出来たキャンドルホルダーです。

 江戸時代からの伝統を受け継ぎ、職人が丹精込めて作り上げる江戸硝子。その中でも東京の熟練の職人による、「あぶりだし技法」によって生み出された大正浪漫硝子は、繊細で、淡く儚い美しさがあります。あぶり出し技法は、明治・大正時代に盛んに使われた成型方法のひとつ。 特殊な原料が入った硝子を使い、急激な温度差を与えることにより乳白色に発色する性質を活かして、紋様をガラス器に浮かび上がらせる伝統工芸技法です。

 サイズは直径約86mm x 高さ約123mm。ティーライトキャンドルや直径40mmのオイルランプが使用可能です。デザインは「水玉」と「玉十草」の2種類。日本の伝統美を堪能しながら、火を眺め無心に還るのも悪くないでしょう。大正は明治と昭和に挟まれた激動の時代。そういえば私の祖父と祖母は大正生まれでした。今は二人とも亡くなっていませんが、このキャンドルホルダーを見たら何と言ったかなぁ~、と思うと感慨深くなりました。多分「ろうそくが勿体無いから、生活で必要ない時は火を消せ」だと思うけど(笑)


江戸硝子 大正浪漫 キャンドルホルダー 価格10,800円(税込み)

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