江戸鼈甲(東京都)

 江戸鼈甲(えどべっこう)は、東京都文京区、台東区、墨田区等でタイマイ(ウミガメ科のカメ、別称・鼈甲亀)の甲羅を加工して作る工芸品です。日本における鼈甲の歴史は長く、飛鳥・奈良時代にまで遡ります。聖徳太子が遣隋使として小野妹子を隋に遣わした際、鼈甲で加工されたものが日本にもたらされました。東大寺正倉院の宝物庫に保存されている「玳瑁杖(たいまいのつえ)」「玳瑁如意(たいまいにょい)」「螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」などが、その際にもたらされたものと言われています。

 江戸で鼈甲がつくられ始めたのは、江戸幕府開府の頃からと言われています。当初は甲羅をそのまま使うなど細工も簡単なものでしたが、江戸時代・元禄期(1688~1704年)に張り合わせの技法が長崎から江戸に伝えられると複雑な造形ができるようになりました。亀は鶴と共に長寿の印として大名に重宝され、更には江戸の町人文化の台頭とともに豪華な櫛(くし)、笄(こうがい:髪を掻き揚げて髷を形作る装飾的な結髪用具)、かんざしなどが作られるようになっていきました。

 現在東京ではネックレスをはじめ、ネックレス、ブローチ等々、色々なものが作られておりますが、いずれも奥行の深い光沢と独特な肌触りが多くの人に愛用されています。

参照元:
日本鼈甲協会ホームページhttp://www.bekko.or.jp/index.html
東京の伝統工芸品ホームページhttp://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/shoko/dentokogei/japanese/hinmoku/10-edobekko.html

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