大堀相馬焼(福島県)

 大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)は、福島県双葉郡浪江町大字大堀一円で作製される陶器の総称です。江戸時代の元禄年間(1688~1707年)にこの地区で陶土が発見され、日用雑器を焼き始めたのが起源と言われています。相馬中村藩は、大堀相馬焼(当時は「相馬焼」と呼ばれるが、後に産地の「大堀」の名を入れる)を藩の特産物にしようと瀬戸役所(瀬戸焼は当時の東日本で陶磁器を指す一般総称)を設置。資金の援助や原材料の確保、また、他領土への技術流出の防止や地場産品愛用運動を布令して保護育成に努めことから、江戸末期には120戸の窯元を持つ東北随一の一大産地へと発展しました。

 大堀相馬焼の一番の特徴は、青磁釉による「青ひび」と呼ばれる陶器表面のひび割です。素材と釉薬との収縮率の違いから、焼いた際に陶器の表面に繊細な音を伴って細かい亀裂が入ります。これを貫入(かんにゅう)と呼びますが、大堀相馬焼は、この貫入による青ひびの地模様が器全体に広がっています。狩野派の筆法といわれる「走り駒」の絵が描かれるのも特徴の一つ。また、「二重焼」という構造のため、注いだお湯が冷めにくく、また熱いお湯を入れても持つことができます。青磁釉以外にも、灰釉、あめ釉、白流釉等の釉薬も使用され、厚くて丈夫な日用品が数多く生産されています。

参照元:
大堀相馬焼協同組合ホームページhttp://www.somayaki.or.jp/index.html
東北経済産業局ホームページhttp://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/fukusima_02.htm

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